Outside

Something is better than nothing.

個人

動画と音楽

新型コロナウイルスに関連して、通常業務の激務っぷりに拍車がかかったこと、そして今年度からやや体制面が変わって(というか端的に言えば、「ボス」が変わって)、七面倒臭い仕事ばかりやらされているような気がしていたのだが、ここに来て動画を軸に何か…

同語反復的な、忙しさ

むしろ師走よりも忙しかったのではないか、と思わなくもない、おそらく多くの企業では閑散期とでもいうべき時節であろう二月を過ごした後、私は未だかつて経験したことがない残業量をこなし、いざ給与明細を確認すると、何のことはない、今年度の四月の方が…

夢の橋

瀬戸内海の穏やかさは、今思うと少し何もなさすぎるような気が無責任にもする、という書き出しで私は今朝方夢を見たことの、その続きとして、あの海の穏やかさを想起したのだが、夢の中で私は尾道大橋を自転車で通行しようとしていてーーそれ自体は頻繁にあ…

その場しのぎの靴

須賀敦子の『ユルスナールの靴』の冒頭には、「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。」(白水uブックス、P.11)という言葉が置かれている。私はこの言葉を読んだ瞬間に気に入って、後でメモに残しておこうと付箋を貼った…

読むことの適合

致命的と思うような事柄について、それを糊塗するための嘘やその場凌ぎの誤魔化しを繰り返した挙句に、時間という波にすべてを浚われてしまって、気づけば泳ぐ術すら知らないのに沖合の陸から遠く遠く離れた地点で、途方に暮れて漂っている。それが今年を総…

太るということ

体重の変化に伴う諸々の身体感覚の変化、ということについて、私は長らく無縁だった。峰なゆかの『アラサーちゃん』シリーズのどこかで、文系くんと名指された男性が、三十代という時間軸に身を置いたときにお腹の部分だけがぽっこりと「太り」始める段に至…

コンディションの恒常性

たぶん誰にでも訪れるであろう代物ではあるのだろうが、三十歳になってから周囲との関係性や、二十代ならば抱きうるものだった熱情がすっかり失われてしまって、体の奥底にある熾火のような、熱はあるものの、けれどもどこか距離があるような、そういう状態…

数字は嘘をつかない式の読解

とても嫌いというわけではないのだが、私は数学についてはあまり得意ではない――というのは大学は文学部であったし、逆算すると高校二年生くらいから文系の授業を受けることになっていたので、数学についてはややおざなりな傾向があったように思う。とはいえ…

愛に適した日々

総括すべき物事があるのかと言えば、日々、由無し事によって濁流に飲み込まれるように自分自身の存立を脅かされ、まさに「私」というものがだんだんと他者の領域にまで追いやられている気がするのだし、例えば山崎ナオコーラが「慧眼」(男と点と線 (新潮文…

重なりあって、続いていく

いつの間にか生まれてから三十年もの時間が経ってしまい、その三十年の半分は、つまり高校生とかそのくらいの年齢になるわけで、そういう時代の自分の存在について、つらつらとよしなしごとを考えていると、時間のあまりの茫漠さについて、途方もない感じを…

九月病のリズム

秋口になると不思議なもので、私は「九月病」と勝手に呼んでいる気分の落ち込みに見舞われる。これは1週間とかそこらで終わるようなものではなく、ほとんど1ヶ月近く続くもので、その期間中には普段は酒が好きなのにめっきり飲まなくなったり、仲良かった人…

身体のメンテナンス

先月は延々と対象不良に悩まされた挙げ句に仕事上のトラブルが相次ぎ、業務運行について現行スキームを見直す必要が生じたところで、しかし体調が悪い、何もしたくない、誰とも飲みに行きたくないという状態に陥った。その陥穽はあるいはバイオリズムとでも…

コミュニケーションを肯定できるようになった

比較的最近になって、コミュニケーションを肯定できるようになってきた。学生時代はさておき、社会人になってからというもの、例えば日常的な挨拶や顧客、あるいは上下関係を前提としたコミュニケーション等、さまざまな局面におけるコミュニケーションが苦…

夜の更新

酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、 また青春の唯一の効果だ。 ハイヤーム『ルバイヤート』(小川亮作訳、岩波文庫、P.101) 楽しい面々と飲んだ後に、「お疲れさまでした」的な展開となり家路に就く頃には、どれだけ酔っていても、ああこの飲み会はその瞬間…

不滅の身体

ふとした瞬間に、自分の抱える半永続的な病と、同時に今ここにある肉体の不滅という意味での永遠を思うことがある。それは眠れない夜、世界にひとり取り残されてしまったような感傷を覚えたときにやってくる。 肉体が傷を負ったとき、痛覚という観点から自分…

道すがら

人生が楽しくない瞬間というのは、楽しかった直後にやってくるのが常なのか、大体にして楽しい宴会の後、ひとりで帰っているときにそれは襲ってくる。享楽的な振る舞いを持続することのできない体力のなさが、結果的にはその享楽自体の代償を支払う羽目にな…

永遠の若い彼らについて

永遠に若いということはありえないのだけれども、きちんと年齢を感じる機会が少ないと、どうも自分が年を取ったという感興が湧かないことがままある。とはいえ、折に触れて年齢の意識させられる瞬間は多々ある。体力の低下や思考の鈍り、逆に経済的な余裕や…

鳩の死

眠たい目をこすりながら、職場へと向かう朝まだき、駅に向かう狭い通路を通り過ぎているときに、異臭に気づいた。おや、と感じたのを覚えている。 その通りは昨夜の酔客どもの中身がぶちまけられている実に汚い通りでもあり、しかしそれはそれである種の歓楽…

迷宮のクオーターライフ・クライシス

思い返せば2016年は呪われていたとしか思えない。2015年の12月くらいから精神的に苦しくなってきたというところはあるのだが、それが改善されないまま2016年に突入してしまった。当時の私は仕事上の環境が大きく変わったことで、もはやどうしようもならない…

家々の変遷

何十年か生きていくと、住んでいる場所がいつの間にか過去のものとなっていることはよくあることで、一箇所に定住するということはけっこう難しい。それだけの資本があるのであれば、半ば強制的にその資本の磁場に囚われてしまうことになり、それはもちろん…

完成の水準

金井美恵子のエッセイ・コレクションが2014年くらいから全四巻で刊行されていて、彼女の「目白雑録」シリーズが好きだったので購入してみて、ちまちまと読み進めている。けれどもまだ第一巻の『夜になっても遊びつづけろ (金井美恵子エッセイ・コレクション[…

甘酸っぱさとその泥濘 ―『ハチミツとクローバー』にまつわる思い出について―

ハチミツとクローバー 1 作者: 羽海野チカ 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2016/08/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る 先日、久々に羽海野チカの『ハチミツとクローバー』(以下、ハチクロ)を読み返していた。NHKで『3月のライオ…

童貞に囚われること

出会わなかったこと 出会わなかった以上、致し方ないといえばそうなのだが、先日に見かけた雨宮まみの死というものは、誰かが死んだとしか反応することができず、当人を何らかの形で知らなかった以上はそれで終わるはずだったのだが、さまざまなところで反応…

煙の生

法事のために帰省したということはつまりそれは宗教行為を行うということに他ならない。私の母方の親戚連中は基本的には宗教心が強く、自分でお経を上げたりできる人も多いし、お寺に修行したりした伯父もいるし、墓参りもけっこう頻繁に行っていたようにも…

親戚付き合いの位置

法事ということだったので、法事を終えたあとに宴会となった。以前はそういった「親戚付き合い」が煩わしいとは思っていたものの、一年に一度あるかないかの付き合いであるのだから、そこまでの煩わしさも感じられないようになった。 もともと私は父方との親…

地元で見たいくつかの顔の印象

地元に帰ると、ふだんは東京で生活しているためなのか、いろいろと発見が多い。 私が今回、もっとも印象に残ったのはそこで生活する人々の顔で、これは私の主観かもしれないのだが、彼らはおおむね大人びて見えた。 同年代か、それより下の世代の男性の表情…

根無し草にとって地元とは

先日まで地元に帰っていた。 ここ数年、両親が実家を人に貸してタイに仕事に行っている関係で、以前まではお盆と正月には帰省していたが、実家が消滅してしまったので帰ることができなくなってしまっていたのだった。 今年は幸いにして友人の結婚式が二度あ…

蛇と蜘蛛の続き

joek.hateblo.jp (あまりにも疲れ果てていたときに蛇について書いたのだが、タイトルが「蛇と蜘蛛」という割に一切蜘蛛について触れていないのは自分でもいかがなものかと思いつつ……承前) 蛇を考えると、つらつらと類推するのは蜘蛛のことで、蜘蛛は例えば…

蛇と蜘蛛

子供の頃に聞いたことがあることわざだったり迷信のようなものは、大人になっても影を落とすように記憶にこびりついているもので、例えばそれは夜中に口笛を吹くと蛇が出るといったものであったりするのだけれども、子供の頃の私は小賢しくも当然に風呂の中…

言語化の壁

あらゆるものを言語化することはまず不可能だとは思うのだけれども、他者への伝達を目的とする言語使用において、言語化不可能の対象は存在しないものとして扱われる、ということになるのだろうか。 言語化できない/したくないものというものの奥に、何か非…