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4月の振り返り(Stairway 4)

Sakura

 新しい年度が始まった。例によって年度末から異動や経営計画に基づき、新たな体制となることで忙しい時期である。そして政治状況については先月から引き続き、正統性を揺らがせる出来事が相次ぎ、また世界的な潮流でもある#me too的な、セクハラによる告発も相次いだ。

 2つの大きな事柄について、まず触れていきたい。財務省福田淳一(元)事務次官が、記者相手に卑猥な言葉を浴びせかけるなどしてセクハラとして週刊誌により告発された件がある。

mainichi.jp

 この事案は二つの路線で問題が展開された。まず一つ目はメディア上における番記者の、女性に対する扱い方である。

www.businessinsider.jp

 もう一つは麻生財務大臣に代表される、財務省の(おそらく官公庁全体の)、人権に対する認識が現代的ではない、旧弊な価値観が二つ目だろう(注記:下記記事は5月のものだが、分かりやすいためここで上げた)

www.asahi.com

 いずれの問題意識も女性への人権意識の低さが露呈し、それぞれの意味において本法における女性の地位について暗い思いを抱かざるを得ない。とりわけ福田元次官に下った処分の理由としては、女性の人権を侵害したかどではなく、あくまで役所に迷惑をかけたという内向きの理由が挙げられている点は甚だ酷い。

 もう一つの告発は、アイドルグループのTOKIOに所属する山口達也が、自宅に招いた女子高生相手に強制わいせつを働いたというかどで書類送検されたという事件である(最終的に不起訴処分)。

www.cyzo.com

 TOKIOの他のメンバーの会見等が話題になり、本人も謝罪をし無期限の謹慎が事務所の処分としては言い渡されている。対応について、所属するジャニーズ事務所からの会見等がなく、あくまでTOKIOのみというところについて批判が上がっているが、それでもTOKIOメンバーから被害に遭った女子高生に対してのバッシング等を止めるように呼びかけるなど、一定の配慮を行ったことについてはある程度評価できるのではないか、と個人的には思っている。

 また、もう一つ、詳しい経緯はあまり把握していないのだが、#me too案件としては写真家のアラーキーこと荒木経惟の被写体(ミューズ)として長年パートナー関係を築いてきたKaoRiによる告発もあった。

note.mu

 これはまた芸術におけるハラスメントの案件として、極めて重要な問題だろう。と言いつつ、私はここで述べられていること以上の意見を持たないため、触れるだけに留めたい。

 性にまつわる最終的には三つの問題を取り上げたが、いずれも女性問題などと記されがちな問題であるのだが、被害に遭った当の女性に問題があったわけではなく、むしろ男性の側に問題があることは明らかだろうと思われる。未だに女流作家という呼称や、女性を土俵に上げないといったことが成立する2018年の本邦が残念でならない。

 これ以外のニュースの中で、二つほど興味を惹いたものがあったため紹介していこう。

 一つは「漫画村」という海賊版サイトなどと呼ばれる、著作権違反を常習的に行い、アクセスした者への広告表示によって利益を上げるサイトへのブロッキングである。現在のところ、児童ポルノ関係のみがアクセス遮断のためのブロッキングが法律に基づき行われているそうなのだが、予防的措置として緊急対応のためのブロッキングが実施された。

www.ntt.co.jp

 これについては相当の是非が侃々諤々されており、表現の自由や通信の自由といった観点から問題視されている。個人的には今回の運用については反対であるのだが、この予防的措置のようなものを許していった果てにあるものというものは、過剰な適用である。たまたま治安維持法についての新書を読んでいる中で、当初に制定された治安維持法がどのような経緯をもって拡大解釈されていき、当時の大日本帝国憲法下ですら違憲状態に常態的に陥ってしまったのか、ということについて触れられている。

治安維持法と共謀罪 (岩波新書)

治安維持法と共謀罪 (岩波新書)

 

  最後に触れるニュースとしては、展望が明るいものだ。韓国の文在寅大統領が27日に北朝鮮金正恩委員長と会談し、共同声明を発表した。朝鮮半島統一へ向けた板門店宣言を行った。

thekoreanpolitics.com

 本邦において、この会談を否定的に捉える向きも多く、そのことが残念でならないのだが、この統一へ向けた動きについてかつて植民地支配を行っていた本邦が蚊帳の外となっていることについては責任の放棄のような気がしてならない。一部のコメンテーターからは統一について、誰が望んでいるのかという頓珍漢な受け答えもあったようだが、南北で標準時間などが統一されたり、非核化へ向けた動きが進められたり、米朝首脳会談が動いていたりするので、個人的にはこのまま進んでくれればと思っている。

 最後と先ほど記したものの、米国の中国通信機器に対する動きがやや気になるところ、というので終わりとしたい。

www.nikkei.com

 ZTEだけでなくHUAWEIも米軍基地内での販売を禁止されているので、この動きがどうなるのか注視する必要があるだろう。

 

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