Outside

Something is better than nothing.

『トイ・ストーリー』(1995年)

トイ・ストーリー (字幕版)

トイ・ストーリー (字幕版)

 

 ジョン・ラセターの『トイ・ストーリー』を観る。
 カウボーイ人形のウッディは、少年アンディのお気に入りのおもちゃであったが、誕生日のパーティーで新たにバズ・ライトイヤーという宇宙ヒーロー物のおもちゃがやってきたことでそのパワーバランスは崩れ、嫉妬のあまりバズを窓から落としてしまう。他のおもちゃはウッディを責め、アンディ家も引越のタイミングということもあって置いてけぼりになってしまうかもしれない。アンディに連れられてピザ屋に行こうとしている途中のガソリンスタンドで、車を尾行してきたバズと再会したものの、ウッディとバズは喧嘩してしまい、アンディに置いてけぼりにされてしまう。隣の悪童シドに捕まってしまった彼らは、そのまま彼の家で爆散する憂き目に遭いかけるが、彼に改造されたおもちゃたちが、彼らを助けることでシドに逆襲し、人前では動かないし喋らないというおもちゃのルールを破ってまで、シドを撃退する。そして仲直りした二人は、アンディの家に戻ろうとするが、引越のトラックが出発してしまった後だった。二人は協力してトラックに入り込もうとするが、なかなかうまくいかない。シドがバズにつけたロケット花火をうまく使って、最後には彼らはトラックを通り越して、アンディの車に戻ることができたのだった。
 明確な方針がまずあって、その上でストーリーが構築されているので、十数年の時が経ってもその視聴体験はいささかも揺るがない、というところが凄い。シドの家におけるおもちゃの奇妙さは、そのままおもちゃの存在をないがしろにしてきた我々の映し鏡として、常にばつの悪いものとしてあるような気がする(もちろん、あそこまで悪趣味なことはしなかったが)。アンディとおもちゃの関係はそのままパラレルに、視聴する人間のおもちゃとの原体験を揺さぶる。
 いずれにしても素晴らしい傑作であることは疑いようのないことであろう。