Outside

Something is better than nothing.

『トイ・ストーリー2』(1999年)

トイ・ストーリー2(字幕版)
 

 ジョン・ラセターの『トイ・ストーリー2』を観る。
 前作の経緯により、ウッディとバズの関係は強固になったものの、ある日、アンディがいつものようにウッディを手に持つと、ウッディの腕の付け根にほつれができてしまう。キャンプに出かけるときにウッディを連れていこうと考えていたアンディ少年は失意に沈むが、それ以上にウッディも自らの今後を憂う。棚の上に放り投げられたウッディは、ペンギン人形のウィージーと出会うが、彼も声が出なくなったまま、ママに修理されると言われて放置されている存在だった。そしてガレッジセールにウィージーが出されてしまう。彼を救出するためにウッディは腕のケガを押して外に出るが、そこでおもちゃの量販店トイ・バーンを経営するアルに見つかり、連れ去れらてしまう。ウッディはアルの家で驚愕の事実に出会う。それは、自分が「ウッディのラウンドアップ」という人形劇の主役で、かつて絶大な人気を誇っていたということを。そして、カウガールのジェシーやプロスペクター、愛馬ブルズアイといった仲間のキャラクターがアルの家にいた。日本のコレクターに彼らを売り、博物館で展示される予定であることがアルの会話から分かる。ウッディはアンディの元に帰り、いずれ自身が壊れ、そして忘れ去られる人生を歩むか、博物館で仲間とともに永遠に不特定多数の子供たちを喜ばせ続けるのかの選択を迫られる。最初は抵抗していたウッディだったが、ジェシーの、仲の良かった女の子との別離といった身の上話を聞いたり、人形修理士によって綺麗にされたりするうちに、少しずつ考えが変わっていってしまう。一方、バズたちは連れ去られたウッディを捜索するために、特別チームを編成してウッディを探すことにした。アルのおもちゃ屋に出かけた折に、陳列された他の「バズ・ライトイヤー」が一向に紛れ込んだり、バズ・ライトイヤーの宿敵、悪の帝王ザーグとの戦いが勃発したりするものの、アルの家に辿り着いてウッディを救出しようとする。が、ウッディは博物館での展示を選択する。バズは失望し、帰ろうとするが、途中でウッディが自分の選択が誤っていることに気づき、帰ることを決意する。だが、そこへプロスペクターが立ちはだかり、アルがやってきて空港に向かってしまう。バズたちはウッディを追いかける。その過程でザーグがバズの設定上の父親だということが明かされ、もう一人のバズは父親とともに歩むことにする。飛行機でウッディを捜索するが、またもプロスペクターに邪魔される。しかし、おもちゃたち共同で彼を撃退することに成功するが、ウッディとジェシーは飛行機の貨物室に持ち込まれてしまう。飛び立とうとする飛行機の中で、ウッディとジェシーは何とか脱出を図り、バズは追いかける。なんとか脱出することに成功した彼らは、アンディの家に戻り、ジェシーはアンディの家で暮らすことになる。
 前作に劣らず傑作であるのだが、今作はおもちゃとの関係性というよりは、必然的にやってくる経年劣化と、時代の移り変わりを描いている。
 ウッディが直面する事態は、単におもちゃの問題というよりは、それを超えて迫ってくる何かがある。その何かが常におもちゃの側の問題として描かれ続け、その意味で彼らは何か選択を迫られなければならないという状況が、表面的な楽しさとともに、どこか恐ろしいものとして現前し続けているような気がしてならない。