Outside

Something is better than nothing.

『メカニック』(2011年)

 

メカニック (字幕版)

メカニック (字幕版)

 

 サイモン・ウェストの『メカニック』を観る。

 ジェイソン・ステイサム演じるアーサー・ビショップは殺し屋(メカニック)として腕を鳴らしていた。ある日ドナルド・サザーランド演じるハリーを殺すように依頼され、悩んだ末にメカニックとしてのプライドに賭け、組織を裏切ったとされるハリーを殺害する。その後、ベン・フォスター演じるハリーの息子スティーブを激情に赴くままにはさせないと助手として扱う。トニー・ゴールドウィン演じるディーンは、ハリーの亡き後、組織を動かしていた人物だったが、実はハリー殺害の裏の糸を引いていた人物だった。それが分かったアーサーとスティーブは二人でそ息を壊滅させるために行動する。すべてを終えた後、スティーブはアーサーこそがハリーを殺したことを悟り、彼を殺害しようとするが、すべてを事前に察知し、備えあれば憂いなしとばかりに準備万端だったアーサーに返り討ちに遭うのだった。

 おおむね進行に疑義はなく、アクション映画としてこちらが求めたいものを差し出してくれるので、安心して視聴することができる映画である。絶妙に女性との関係性が描かれたり、スティーブとアーサーの関係性があったりするので、プロとアマチュアのせめぎ合いのようなものが分かりやすく提示される。調べてみるとリメイクものということで、少し納得しもするのだった。

 ジェイソン・ステイサムはプロフェッショナルとしての顔を演じて説得力を十分に感じさせ、破綻という破綻なく、映画を完結に向かわせる。この顔、この存在感は俳優としての財産であろう。そして監督も、私たちも、そして本人自身もそれを知っているのだ。