『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』を観る。
ハロウィンが迫ったある日、結婚式会場を舞台に警護の訓練を行う。以前に警視庁に勤めていた村中が、フランス人のクリスティーヌ・リシャールと結婚するものの脅迫状が届き、そのために警護を行うことになったのだった。高木刑事と佐藤刑事が新郎新婦役として訓練を行うものの、結果的に高木刑事はペイント弾で撃たれてしまう。そのとき、佐藤刑事は高木刑事に忘れていた死神の姿を見る。同時期、爆破事件を起こした犯人を公安の降谷零と風見が追いかけ、追い詰めるものの男の首には首輪型の爆弾が仕掛けられ、降谷は吹き飛ばされる。風見を助けるために両手が塞がっている状態で、仮面の人物プラーミャが現れ、彼にも首輪をつけるのだった。また、その翌日コナンたちは警視庁からの帰り道、外国人の男性とすれ違い、彼の持っていたタブレットが突如として爆破する事件に遭遇する。灰原が運悪く巻き込まれ、毛利小五郎が吹き飛ばされた灰原を助けようと、トラックに轢かれてしまう。爆死した外国人の持っていた所持品の中に、かつて捜査一課に所属、爆破事件に巻き込まれ殉職した松田の名刺があったことから、相棒だった佐藤刑事に相棒だった一週間を洗い出すように指示が飛ぶ。松田の一課時代の一週間の足取りを追う中で、松田の同期である萩原の墓参りを行なっていたことが判明し、そのときにある事件に巻き込まれたと言うことが分かるものの、そこで公安のストップがかかる。コナンは公安に連れられ、隔離された降谷のいる場所を訪れ、首輪爆弾をつけた彼を目の当たりにする。村中とクリスティーヌに会う中で、クリスティーヌの頼まれごとを引き受けたところ、コナンたちはビル爆破事件に巻き込まれ、少年探偵団とコナンは危うく爆死するところだったものの、機転を効かせて事なきを得る。爆弾はピンクと水色の液体が混じり合うことで反応し、強力な爆破作用をもたらすもので、コナンはその装置を写真に収めることに成功する。その写真から降谷と松田らが三年前に経験した事件と同一のものが使われていることが判明し、一課と公安の合同捜査が始まる。プラーミャという国際的な爆弾魔が黒幕であった。千葉刑事がビルを調査している中で誘拐されてしまい、警察に松田刑事を連れてくるよう要求される。しかし松田はもうこの世にはいない。そこで高木刑事が以前の事件同様に松田刑事に扮することになり、千葉刑事が捕まっている監禁場所に赴くことになる。高木刑事の奮闘があったものの、犯人グループには逃げられてしまう。どうやら犯人グループは民兵組織であり、反プラーミャであることが降谷の口から判明する。結婚式はプラーミャからの脅迫により続行せざるを得なくなり、ハロウィン当日、結婚式が決行される。コナンは真相を看破し、民兵組織を率いるエレニカと共闘を提案する。式場でクリスティーヌがプラーミャであることが分かり、彼女と死闘を繰り広げることになる。プラーミャを追い詰めるものの、彼女はハロウィンのカボチャのランタンに大量の爆薬を仕込み、渋谷の高低差を利用して、大量のピンクと水色の液体を混ぜ、大爆発を引き起こそうとしていた。降谷とプラーミャはヘリコプターを舞台に壮絶な戦いを繰り広げ、プラーミャを確保。そしてヘリの墜落にあわせて避難誘導が終わった渋谷を舞台に、少年探偵団、民兵組織、警察が爆発を防ぐために共闘することになる。阿笠博士が発明した新しいボール射出ベルトによって、渋谷が火の海になることは避けられたのだった。
重厚な描写によって、基本的なストーリーは格別の破綻もなく、久しぶりに劇場版に相応しい内容になっている。とはいえ、ところどころ気になる描写があるのも事実で、特に気になったのは降谷零に首輪爆弾が仕掛けられ、自主的に隔離生活を行なっている強化ガラスの檻である。あそこにはトイレがあるのか。用を足すときはどうしているのか、という下半身のことをついつい考えてしまう。何やらワインめいたものを飲んでいるらしき描写もあったものの、飲食を行うならば生理現象のことを考えたかった。そしてレクター博士的なものとして、一種の異常者、超越者としてその結構は使われていると思うが、なぜ強化ガラスなのだろうかとも思うのだった。コンクリートの壁の方がいいんじゃないか、と。
渋谷の高低差を利用、というのはちょっと面白いアイデアだなと思ったのは事実で、内容としてはかなり無茶な内容だし、そもそもあの展開で本当に液体が混ざらないのだろうか、という気もしなくもないのだが、しかしそれも含めて興味深かったのは事実である。