Outside

Something is better than nothing.

『マネーモンスター』(2016年)

 ジョディ・フォスターの『マネーモンスター』を観る。

 ジョージ・クルーニー演じるリー・ゲイツは「マネーモンスター」という投資番組の司会者で、軽快なトークを武器に人気を博している。その番組のプロデューサーはジュリア・ロバーツ演じるパティ・フェンで、彼のアドリブ癖に辟易しつつも、番組の人気を不動のものにしていた。しかし、ある日、番組放送中にジャック・オコンネル演じるカイル・バドウェルが乱入する。彼はリーがおすすめした「アイビス」という新興企業の株が暴落したのを受け、逆上して番組をジャックしたのだ。銃を持ち、爆弾をリーの体に巻きつけ、ボタンを離すと爆発すると脅し、放送の継続を求めるカイルに、パティらはそのまま番組を持続させることにする。ドミニク・ウェスト演じるアイビスのCEOウォルト・キャンビーは出張で不在の中、アイビスにまつわるプレスリリースを託されたのはカトリーナ・バルフ演じる広報担当ダイアン・レスターで、彼女は自社を守ろうとはするのだが、キャンビーの不可解な行動によって疑問を抱くようになる。ジャンカルロ・エスポジート演じるマーカス・パウエル警部は状況に介入を試みるものの、犯人との思惑の違いからなかなか上手くいかない。リーは始め命乞いを行うような形だったが、だんだんとカイルの言い分を聞き入れ始め、パティもまたアイビスの株価暴落は何か裏があったのではないかと、独自にダイアンらと協力し、情報を探る。カイルとリーは人質という状況を利用し、キャンビーが出張から戻り、報道陣に対して説明を求める場を利用することにして移動する。そして、アイビス南アフリカでの鉱山にまつわるストライキに際して、過剰な投資等を行ったことがきっかけで暴落したことが暴かれるのだった。

 状況は適切に配置され、登場人物のどうしようもなさっぷりを見事にジョージ・クルーニーが演じている。かなり見応えがある映画であることは確かで、最終的にキャンビーの思惑というものは古典的ではあるのだが、それなりに納得できる。個人的にはキャンビーとダイアンが不倫関係にあった、というところはやや余計なのではないか、という気もしたのだが、それはまあいいだろう。ジュリア・ロバーツのやり手のプロデューサー感が格好良い。そうした意味で、この映画はとてもよくできた映画である。