Outside

Something is better than nothing.

『ザ・サイレンス』(2019年)

 ジョン・R・レオネッティの『ザ・サイレンス』を観る。Netflix映画。

 スタンリー・トゥッチ演じるヒューは、ミランダ・オットー演じる妻ケリー、キーナン・シプカ演じるアリーと、カイル・ハリソン・ブライトコフ演じる息子ジュード、ケイト・トロッター演じるリンの四人家族だが、アリーは事故の影響で祖父母(おそらくリン以外の)を亡くし、また聴覚を失ってしまった。アリーは学校で障害を揶揄されもするのだが、デンプシー・ブリック演じるロブと仲良くなる。ある日、遺跡発掘チームが封印されていた古代の洞窟から何ものかを解き放ってしまう。その結果として、視覚を持たないベスプという魔物は世にはびこってしまう。個体ごとはさほど大きくはないのだが、翼を持った彼らはかなりの数がおり、また人に卵を植えつけてもいる。かくして一家で逃げようとするのだが、逃げ延びた先でカルト教団に襲われたりするのだった。北に逃げると彼らの動きが遅くなることもあって、北に逃げ延びる。

 どことなく中途半端な展開に、カルト教団を入れることで単純なモンスター映画の惰性から逃れようとしたのだが、それは失敗に終わっている。実際、クライマックスがカルト教団との戦いとなっており、しかも彼らのトップはなんだか思わせぶりに登場する割に、どういうわけかあっさりと死んでしまうわけで、なかなかに消化し切れていないプロットの原型をそのまま見せられたかのような、そんな具合であった。

 むしろいっそのこと、ロブとの下りを全部カットしたり、登場したらすぐ死んだ叔父さんの下りも全部カットした方がよかったのではないか、と思わなくもない出来映えなのだが、短いこともあって、それなりには観られたものだった。とはいえ、微妙。