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VivoBook E302NAにChromium OSを導入してみた

(以下の文章は雑感です。推奨しているわけではなく、またChromium OSの導入は自己責任でお願いします)

 以前に下記記事で紹介したVivobook E203NAだけれども、さメモリが4GBあるものの、すがにCPUがCeleronであったので非力さが否めず、つい最近iPad Pro 11(2018)を買ったので、捨てようかと思っていた。

joek.hateblo.jp

 同時にASUSで言えばChromebookも出しており、最近の発表でflip系(例えばASUS Chromebook Flip C101PA シルバー 10.1型ノートPC【日本正規代理店品】CP1 Hexa-core/4GB/eMMC16GB/C101PA-OP1/A)もいいなあと思っていた。Surface的な2 in 1的な使い方ができないかと思っていたのである。とはいえ、Chrome OSに手を出したことがないので金を出して試す余裕もないしなあと思いつつ悶々としていた。

 で、Chromium OSに出会った、ということになる。

 準備するものは2つ。1つはPC本体で、まあ当然といえば当然であるが、2つ目は8GB or 16GBのUSBメモリ。後者は8GBのものがあったはず、と思って家中探し回ってなんとか発見し、PCに挿し込んだ。

CloudReady Home Edition Free Download — Neverware

 そして上記リンク先からソフトをインストールし、BIOSのUSB起動用のファイルを作成する。だいたい20〜30分くらいかかる。その後、PCを一旦シャットダウンし、「F2」キーを押下しながら電源を立ち上がると、「EZ BIOS MODE」みたいな画面になるので、画面右の優先順位をUSBに設定すると、「CloudReady」が立ち上がって、晴れてChromium OS化(第一弾)が完了する。

 その後、Googleアカウントを入力して、いろいろと不具合が生じていないかどうかをチェックした後、設定からOSのインストール(第二弾。USBからPC本体へ)を行い、完了。

 これでWindows 10とはおさらば、ということになる(なので当然データのバックアップは必要)。

 感想。

 速い。

 Windowsでは10秒以上かかっていたかもしれないChromeの立ち上げが、一瞬で終わる(特にOSをPCにインストールした後=第二弾)。また、動画再生や音楽再生も早くて助かる。これはもともとのChrome OSの設計思想だから、ということもあるかもしれない。パートナーとPC共有していたのだが、複数アカウントでのログインももちろん可能である。

また、Bluetooth機器の接続やWi-Fi環境もどうなのか、と思っていたが、以前と変わらず無線でどちらもいけた。電源の持ちも変わらない感じがする。

 難点を上げるとすれば、ログイン時の挙動でシャットダウンをすると、毎回Googleアカウントのパスワードを入れなければならなそうなところである。もう少し勉強すれば、簡単な方法があるのかもしれない(スリープからの復帰はパスコード入力でも可にできる)。あと、これはそもそもChromium OSの仕様だがAndroidアプリは使えない。

 個人的にはこのVivobook E302NAや、そもそも低価格帯のPCは全部Chromebook化してもいいのではないのか、というくらいの良さである。メモリも4GBあるし、CeleronChromebookでは使われているCPUであろう。またROMも32GBというのも同じ。

 今のところは大成功。

『ランペイジ』(2018年)

ランペイジ 巨獣大乱闘(字幕版)
 

 ブラッド・ペイトンの『ランペイジ』を観る。

 エナジン社はゲノム編集による動物の巨大化を目論み、その軍事転用をもってして利益を上げようと、地球上ではなく宇宙ステーション内で実験を行なっていたが、実験中にネズミが巨大化し、宇宙ステーションは破壊されてしまう。だが地上にいるクレアとブレットの姉弟は、実験途中のカプセルを持ち出すように強固に言い含めていたため、研究員はなんとかカプセルを持ち出すのだが、しかし大気圏突入時にネズミによって破損した小窓が割れ、墜落してしまう。だが、そのカプセルは3つに分かれ、地上に降り注ぐことになる。さて、ドウェイン・ジョンソン演じるデイビス・オコイエは元特殊部隊の隊員で、今は引退し、ゴリラのジョージを始めとした動物たちを飼育している。皆から頼られているのだが、過去の経験から人間を信用することができなくなってしまい、動物にのみ心を開いている。そこにカプセルが墜落し、ジョージがその薬剤を浴びてしまう。結果として彼は凶暴化し、また巨大化していく。ナオミ・ハリス演じるケイト・コールドウェル博士はエナジン社の研究員であったが、自身の弟の治療のための研究が捻じ曲がっていくことに耐えきれずにエナジン社を辞め、また非倫理的な研究を破棄しようと研究資料を盗み出そうとしたところで捕まってしまい、懲役を喰らった過去があるが、今回の事態をすぐに見抜き、ジョージの治療に当たるために動き始める。だが、ジョージは為す術なく巨大化していき、また残り2つのカプセルによって狼とワニもまた巨大化する。狼を回収しようとしたエナジン社の傭兵たちは呆気なく返り討ちに遭ってしまい全滅。事態を重く見た政府はジェフリー・ディーン・モーガン演じるハーベイ・ラッセルを投入し、事態の沈静化を図ろうとする。ジョージに麻酔銃を打ち込み、飛行機で輸送を試みる。だが、エナジン社はゲノム編集によってコウモリの特性を持つようになった彼らに低周波の電波を本社から流し、彼らをシカゴ本社に誘い込もうとする。飛行機上で目が覚めたジョージは暴れ回り、飛行機は墜落する。デイビスはケイトやラッセルを助けるために奮闘し、なんとか墜落による死を免れることができたが、軍隊と行動を共にすることになり、彼らと方針が合わずに捕まえられそうになる。しかし、デイビスは機転を利かして逃走し、ケイトと二人でシカゴに向かう。巨大化したジョージと狼、ワニはそれぞれシカゴの街並みを破壊していき、エナジン社の電波塔を目指す。デイビスはケイトと共にエナジン社に忍び込み、凶暴化を止める薬を奪取しようとしたところで、クレアとブレットに捕まってしまう。屋上で迫り来る巨大化したジョージに対し、ケイトは機転を利かせ、薬の入ったカバンをクレアに渡して、ジョージはそのままクレアを食べることで凶暴化が収まるかと思えたが、破壊し尽くされたエナジン社のビルが彼らの破壊に耐えきれずに崩落する。彼らはヘリコプターに乗ってスライドしていくことでなんとか難を逃れるが、まだ狼とワニが暴れまわっていた。そこでデイビスとジョージは持ち前のコンビネーションで彼らを撃退していき、シカゴの街は救われるのだった。

 大味と言えば大味なのだが、それなりに楽しめるタイプの大味であって、そういった意味ではまさにハリウッド映画に相応しい映画と言えよう。例によってドウェイン・ジョンソンドウェイン・ジョンソンでしかない役回りであったかもしれないものの、それでもまた一つの楽しみと言えばそうなので気にならない。

 やや気になった点はエナジン社のビル倒壊シーンで、もちろんこれは同時多発テロにおけるワールドトレードセンターの倒壊とオーバーラップしていくような気がしてならなかった。アメリカにおける破壊表現から、かなり繊細な意味において娯楽によるビル破壊の姿というのは慎まれてきたような気がしていたのだが、ここに来て、ど真ん中の娯楽映画表現としてのビル崩落描写が出てきたのは、一つの時代の区切りと言えるのかもしれない。いや、もしかしたらもっと前にあったのかもしれないけれど。

 また、キャラクターの描写がやや中途半端で、例えば冒頭にケイトが遅刻癖があるような描かれ方をしていたのだけれども、途中からそういった要素はまったく省みられなくなった。これは少し演出上、疑問が残る。

 ゴリラのジョージとデイビスが手話で会話するところについては面白かったし、最後の下品なギャグも笑えるものだったので動物たちについてはそれぞれおどろおどろしさが出ていて、これは言うことはない。

 総じて言えばやはり大味。

『ファースト・マン』(2018年)

ファースト・マン 上: 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生 (河出文庫)

ファースト・マン 上: 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生 (河出文庫)

 

 デイミアン・チャゼルの『ファースト・マン』を観る。

 ライアン・ゴズリング演じるニール・アームストロングは宇宙飛行士として訓練に励んでおり、目的意識のために自己統制を行う人物であるものの、自身の愛娘であるカレンが病気により幼くして亡くなってしまうことにショックを受けている。しかしながら、宇宙飛行への秘めたる思いは捨てきれず、むしろそのことがきっかけとなり、彼はクレア・フォイ演じる妻ジャネットの献身もあり、宇宙飛行士として採用される。ジェミニ8号で宇宙空間でのドッキングを成功させるとともに、今度は月を目的とした宇宙開発に身を投じていくのだが、アポロ1号の発射テスト時に仲間が火災で亡くなってしまうことをきっかけに、月に行くことへ執着していく。それはアポロ11号でニールが帰って来られるか分からない旅に出るその前夜、残された息子たちに声をかけることもできないくらいに。しかしながら、ニールは仲間とともに月に降り立ち、かの有名な台詞を述べ、そしてクレーターの中にカレンの名前が入ったリングを投じる。隔離のために地球帰還後のニールに会うことができなかったはずだが、ジャネットは特別に三週目に面会を許され、そこで何かが終わる。

 宇宙飛行に際する閉鎖空間内でのあれこれが詰め込まれており、例えばジェミニ8号のドッキング後に発生する、毎秒1回転以上の機体の回転などは、音響もあいまっておどろおどろしくなってしまう。もちろんそれは冒頭のX-15の飛行実験にしたってそうで、アポロ11号における月面着陸に至るまでの描写もまた同様であった。あるいはアポロ1号における火災事故の、あまりの呆気なさ。

 大勢の死者たちに囲まれながら、ニールは月へ向かおうとするのだが、ここで描かれる個人的執着は、しかし大きな声ではなく、静かな内面を感じさせるだけで画面が展開していく。アポロ1号の事故の後、彼は庭で月をスコープで覗く。誰からも話しかけられたくないがゆえに。もはや夫婦としてのコミュニケーションすら危うい状況の中で、必死に安定を求めるジャネットは辛うじて繋がっているはずの息子たちと父親との絆を結びつけようとするが、長男はすでにそれがある意味では失われてしまったのではないか、と気づいている。

 彼の静謐さが、宇宙空間における孤独と連なり、またEVAの無音、宇宙の無音にも繋がってくる。

 強いて言えば、月面着陸における劇伴の使い方があまりに大仰すぎて、さすがにこれではまるでノーランの映画ではないか、と思ったのだった。