Outside

Something is better than nothing.

『エイリアン』(1979年)

 リドリー・スコットの『エイリアン』を観る。

 宇宙船でアンドロイドが暗躍し、地球外生命体の調査を行うということになったため、迫り来る危機を放棄し、結果的に宇宙船は危険にさらされ、シガニー・ウィーバー演じるリプリー(と猫)だけが命からがら逃げるのだった。

 毎回、監督が違う所為もあるためか作風が異なる「エイリアン」シリーズなのだけれども、本作はやはりなんだかんだ傑作であるだろう。あのエイリアンの独特のフォルムと宇宙船を初めとする美術に軍配が上がったのだろうと思われる次第で、微妙に猫の存在感が(続編以降は続かないにしても)よいのではないか、と思われる。

 この気合いの入った映像を堪能するにつけて『プロメテウス』のやる気のなさに対して怒りさえ覚えてしまうのであって、まあ、それは別の話。

『グリーン・ゾーン』(2010年)

 ポール・グリーングラスの『グリーン・ゾーン』を観る。

 マット・デイモン演じるロイ・ミラーは、MET隊として、イラク戦争において大量破壊兵器の行方を探していたが、何度もガセ情報に踊らされている状況を不審に思ったところ、「マゼラン」と呼ばれるアメリカの協力者の存在を知り、その行方を探している途中にこれはアメリカ国防総省の陰謀だった、といった具合で、最終的にヘリが墜落する。

 話自体が相当にどうでもいい内容だったので、かなり端折ったのだが、暗闇での戦闘は結構興味深く、暗闇が、つまり赤外線暗視ゴーグル的なものをほとんど使わずに暗闇での戦闘を描いているところは割と興味深いような気もしたのだが、やっぱり話自体がかなりどうでもいい内容だったためなのか、いくらグリーングラスの映像とは言いつつも、全然楽しむことができず、正直言えばかなり苦痛の約2時間であった。

 駄作というわけではないのだが、やっぱり話がどうでもよすぎるんじゃないのか、これ。

『ゾンビーバー』(2014年)

ゾンビーバー (字幕版)
 

 ジョーダン・ルービンの『ゾンビーバー』を観る。

 女たち3人がとにかくセックスのことしか頭になさそうな彼氏たちを差し置いて、そのうちの1人が彼氏に浮気されたということで慰めるために親戚の別荘地に赴くのだが、危険物資を運ぶトラックの運転手が実にいい加減に鹿を轢き殺したために、危険物資が入ったドラム缶がビーバーの住むビーバーダムに流れ込み、かくしてビーバーたちはゾンビーバー(Zombeavers)となる。で、彼氏たちは女たちの1人と共謀して、別荘地にやってきてしまうので、別段危機を迎えていないカップル2組は早速セックスに取りかかることにして、残る1組は浮気の真相を巡り、険悪なムードになったまま、ゾンビーバーが襲いかかってくるのでパニックに襲われているうちに、1人、また1人と退場していき、例によって噛まれるとウイルスか何かに感染するらしく、ゾンビーバー化してしまい前歯が異様に発達し、尻尾も出てくる。なんとか生き残ろうと藻掻くのだが、生き残ったと思いきや、またしてもいい加減なトラックの運転手に轢き殺されてしまう。

 タイトルが邦訳なのかと思いきや、原題も「Zombeavers」だったというところで、ある意味この作品は終わっているのだけれども、無意味にエロ要素があったり、男たちは果てしなく馬鹿だったり、いやそうは言っても女たちも結構馬鹿だぞ、と思わせたりする実に健全な内容で、ビーバーたちの姿に愛がなかった気がするのがいかがなものかとは思うのだが、しかしゾンビ物としてはまあ悪くはない。