Outside

Something is better than nothing.

『呪詛』(2022年)

 ケヴィン・コーの『呪詛』を観る。Netflix映画。

 リー・ルオナンはかつて恋人とその弟とともに、YouTubeのチャンネルの企画で恋人の祖父が住む集落に向かう。そこでは謎めいた宗教が信奉されており、地下道に何かがいる、ということになっている。「仏母」と呼ばれるその信仰は、いわゆる邪教で、その邪神を崇めているところを面白おかしく撮影していると、彼らは彼らの名前をその邪神に捧げられることになる。一方、ルオナンは妊娠しており、その子どもの名前もまた捧げられることになる。かくして呪われた一行は、帰宅しようと思いつつも地下道にてその邪神と対峙することとなり、恋人と弟は発狂して死んでしまう。ドゥオドゥオと名付けられたその子どもは、やはり呪われており、病気にかかる。娘を助けようとチーミンとともにその宗教の謎を追うものの、うまくいかない。結果的に、ルオナンはその集落に戻り、仏母の像と対峙することになる。

 モキュメンタリー的に撮影されているものの、人称の混乱があったように思う。時系列がかなりバラバラで観ていて混乱してくるのだけれども、それなりに面白いと言えば面白い。ある意味、呪詛の言葉を観客にも唱えさせようとするところに醍醐味があると思うのだが、その共犯関係と裏切りについては一定の評価をしたいところ。