Outside

Something is better than nothing.

『惑星ソラリス』(1972年)

惑星ソラリス Blu-ray 新装版

惑星ソラリス Blu-ray 新装版

  • 発売日: 2016/06/24
  • メディア: Blu-ray

 タルコフスキーの『惑星ソラリス』を観る。
 心理学者のクリスは地球上で惑星ソラリスの探査計画が謎めいた原因で失敗しかかっていることを受け、観測ステーションに派遣されることになるのだが、知性を持っているという海のためなのか、施設内は荒廃し、研究所内の連携はまったく上手くいっておらず、各々勝手に行動している中に、ソラリスの海によって作り出された存在しないはずの人影がやってくることに気づいたクリスは、かつて十年前に失くした妻ハリーが現れたことで激しく動揺し、以後はそのソラリスの海による現象を受け入れることになる。知性を備えたハリーはやがて自らの過去を知るようになり、さらには存在の根底の不確かさから七日自殺を試みるようにもなる。海の所為なのかは分からないが、クリスが高熱にうなされている間に、海に向かってクリスの脳波を使った処置を施され、研究員たちが「客」と呼んでいる存在の襲来はなくなるのだが、海に変化が訪れ島ができ始める。  無用に長いシーンが多いような気がするのだが、噂に聞いていたタルコフスキーの水の描写はそれなりに面白い印象があるのと、ソダーバーグの『ソラリス』よりかは印象に残るのではあるまいか、という気もした。素材自体もアメリカ人には向いていないのではないか、というのは少し穿ちすぎだろうか。
 美術は好ましく、途中でなぜか首都高が出てきたときは首を傾げもしたのだが、しかし退屈であるのだがどことなく印象に残る作品となっている。