Outside

Something is better than nothing.

『ポゼッション』(2012年)

ポゼッション(字幕版)
 

 オーレ・ボールネダルの『ポゼッション』を観る。

 ジェフリー・ディーン・モーガン演じるクライドはバスケットボール部のコーチとして活躍していたが、家族を顧みることが難しいこともあって妻とは離婚し、週末に娘二人と一緒に過ごす、ということを行うようになっていた。ところで、娘の一人が不要品の売り出しに際して、謎めいた箱を求めたところから雲行きが怪しくなり、どうやらユダヤ教徒の見立てによるとのその箱の中には悪魔が封じ込められており、折に触れて娘に乗り移ろうとするので、クライドは一生懸命、娘を救おうと努力するのだった。

 夫婦関係の危機が偶然という形を装いつつ、娘に過大な心理的な影響を及ぼす、といったことを「悪魔」に見立てて描いた作品であり、細部は極めてよく整理されていると思うし、それなりに楽しめる作りとなっており、個人的には満足できる作品だった。

 ただ箱の構造上の禍々しさ、といったものがあまり画面上から伝わってこなかったような気もするし、あの儀式めいた配置は一体何だったのだろうと思わなくもない。

 サム・ライミが仕掛けるホラーとあったために観たのだが、監督というわけでもなかったのでそれもやや残念であった。