『ラブ・アクチュアリー』(2007年)
リチャード・カーティスの『ラブ・アクチュアリー』を観る。
クリスマスの五週間前から当日に至るまでの間、登場人物に起こったさまざまな出来事をDJが選曲するような形で音楽とともに移り変わっていき、愛の迷いがあるかと思えば、ある種の別れもあり、また同時に愛の再確認や新しい愛の発展等もある、といった映画である。
落ちぶれたロック歌手がビル・ナイ、妻を亡くしたばかりの夫がリーアム・ニーソン、マーティン・フリーマンは映画の中のセックスシーンを撮っており、若くして英国首相になった役を演じるのはヒュー・グラント、親友と結婚した相手に懸想する男はアンドリュー・リンカーンで、その懸想される女はキーラ・ナイトレイ、また作家役としてはコリン・ファース、職場のボスとしてアラン・リックマン……と錚々たる面子であるのだった。
状況は極めてよく整理された上で、一つの主題に沿って時系列順に描かれていき、どの場面においてもおそらくそれぞれ感情移入しやすく作られている。個人的には親友の妻となった女性に思いを寄せるストーリーラインが好きなのだが、それは人の好みだろう。
何にしても素敵な映画だった。