Outside

Something is better than nothing.

『SING/シング』(2016年)

 ガース・ジェニングスの『SING/シング』を観る。

 子供の頃に劇場に見せられたコアラのバスター・ムーンは長じてから父親の援助により自分の劇場を持つことができたものの、運営がうまくいかず、銀行に支払いの催促を受ける日々を送っていた。起死回生の案として賞金千ドルの歌オーディションの開催を計画するものの、イグアナのミス・クローリーの手違いによってゼロが2つ多くついてしまい、街中にばらまかれてしまう。それぞれ歌の才能を持つものの、機会に恵まれず燻っていた動物たちがそのオーディションのチラシを手に取り、それぞれの立場を乗り越えて参加するものの、お披露目の際に水槽を使った演出が災いして、水槽のガラスが割れて劇場が破壊されてしまう。失意のどん底に落ちたムーンは、ヒツジで親友のエディのところに転がり込んでいたが、歌う機会を与えてくれた動物たちに励まされ、野外コンサートを開き、大成功を収めるのだった。

  同時期に公開されていたようにも記憶している『ペット』(2016年)とは異なり、実にストレートな物語の中で動物たちが楽しげに歌を歌っている様を見るにつけて、ただひたすらに映画に身を任せればいいのだという感を抱いたのだった。『ペット』はやや期待外れだった印象があるのだが、こちらは大満足の一品となった。