『バイオハザード』(2002年)
ポール・W・S・アンダーソンの『バイオハザード』を観る。
あらすじはさておき、この映画を視聴するのは今度は四回目で、この映画は決して優れた作品ではないのだが、嫌いではない作品なのだった。
シリーズは続いているが、決してクオリティが高いというわけではない作品ではあるのだが、その第一作はミラ・ジョヴォヴィッチがとにかく美しい存在であってくれるので、それはそれで「うん、まあいっかな」と許せるのだった。
またゾンビが走らないというところも好感が持て、ゲーム版の設定を踏襲しつつも、例えばAIとの戦闘など面白い要素はたくさんある。
クローズドな空間に配置された人々とゾンビの戦いというコンセプトがはっきりした上で、アンブレラ社という絶対悪の企業がひとまず登場してくれるというところで、分かりやすい娯楽となっていて好ましい。
おそらくこの映画の成功は、続編以降の比較的オープンな空間における展開の失敗とは異なり(具体的には2と3)、クローズドな空間を選び取ったことにあると思われる。それ自体がゲーム版の『バイオハザード』のゲーム的な限界とそれを元としたコンセプトでもあったと思うのだが、ゾンビという素材自体が限定された空間とかなり相性がいいという素材の吟味の結果なのかもしれない。
オープンワールドになったゾンビは、おそらく走らなければならない、というところに、クローズドな空間が要請される根拠があるのではないか。
【関連記事】
次作へ続く。