Outside

Something is better than nothing.

ココナッツとの邂逅

Coconut

 タイのリゾート地、ということはそこには必ず浜辺と海とがセットになっているということにもなるのだが、そういったところに行くと、パラソルの下、燦々と照る太陽を避けて涼もうものならば必ずと言ってもいいほど、怪しげな風貌をしたおじさんやお兄さんが目の前を練り歩き、要る要らないというこちらの元々のニーズなどお構いなしに、営業とはニーズを喚起して然るべきものなのだというくらいの、つまりは押し売りを仕掛けてきて、結果的によく分からない、おそらく現地では普遍的に、つまり祖父の、いや曾祖父の時代から連綿と食べ続けられ、飲み続けられ、使われ続けた某かが手渡されることになるのだが、しかしその先祖代々の代物というものはその伝統を失い、さらには故郷を失ってもいる私たちにとっては、どう考えても無用の代物でしかなく、一体これをどうすればいいのかと途方に暮れるし、食べ物や飲み物ならばあまり口に合わなくて辟易する。

 かくして購入物はすぐにゴミに変貌することになり、旅につきまとう無用な買い物の金額がまた蓄積されていくことになるのだが、私にとってそれはココナッツだった。

 正直なところ、衛生上どうなのだろうという現代っ子ぶりを発揮してしまい、手を着けるべきかどうか延々と悩んだ末に差し出されたストローを吸ってみて、微妙に、まあ飲めなくもないけれども美味くもないよね、といった案配の味がしたときの、あの気まずさといったら!

 しかしながら、数年前に私はトロピカーナのココナッツウォーターに出会ってから、というもの、ココナッツに対する認識を改めつつある。 

キリン トロピカーナ ココナッツウォーター 470ml×24本

キリン トロピカーナ ココナッツウォーター 470ml×24本

 

 元々ココナッツウォーターについては不満があって、紙パックで売られているココナッツウォーターは甘ったるく、まるでココナッツオイルのような甘さ、とでも言おうか、甘さ重視の味がしたものだったが、このトロピカーナのココナッツウォーターについては甘くなく、さっぱりした味で、夏場の水分補給でもごくごく飲むことができる。

 先般から行くようになったLAVAのホットヨガだが、そのときにミネラルウォーターとトロピカーナのココナッツウォーターをそれぞれ持っていくようにしている。さすがに汗っかきなので脱水が怖く、ココナッツウォーターの方が水分補給にいいのではないかと思うくらいに体が受けつけるのだった。

 かくしてココナッツに対する認識を改めた次第で、衛生上の問題は簡単にクリアされ、スーパーやAmazonで箱買いをし、数十本は常に家にストックするようにしていた。