Outside

Something is better than nothing.

『ズーランダー No.2』(2016年)

  ベン・スティラーの『ズーランダー NO.2』を観る。

 冒頭イタリアでジャスティン・ビーバーがキメ顔を残して暗殺されるので、 ペネロペ・クルス演じるインターポールの捜査官ヴァレンティーナは同様のキメ顔で死んだポップスターが多くいるため、キメ顔に何か意味があるのではないかと、そのキメ顔こと「ブルー・スティール」を作り出したベン・スティラー演じるデレク・ズーランダーを探す。しかしながら、前作で字が読めない子供たちのための養護施設を造り、わずか二日後に崩落してクリスティン・テイラー演じる妻マチルダを失ってしまい、生き残った子供とともに生活するものの、パスタがまともに作れないということで児童養護施設に子供を奪われて失意のズーランダーは隠遁生活を送っていた。同様にオーウェン・ウィルソン演じるハンセルも、前述の事故の影響で美しい顔にほんの少しの傷を負い、常にマスクを被るようになって砂漠に引きこもり、多種多様な人々(と動物)との性的に放埒な生活を送る。モデルから引退した二人に、現在のファッション界の大物クリステン・ウィグ演じるアレクザーニャがオファーを出し、ズーランダーは子供と再会するため、ハンセルは性的放逸の結果、大量の子供が生まれ「父親」になるように迫られ、元々ハンセル自体が父親との確執があったために覚悟が決まらなかったことから、二人はローマに赴く。そこでズーランダー・ジュニアとも再会したり、産廃施設で行われたファンションショーに出演してベネディクト・カンバーバッチ演じるオールというモデルに挑発されたりしながら、そんなこんなで陰謀としてはアダムとイブの他にスティーブというものがいたということで、その「スティーブ」がズーランダーの息子で、その彼、「選ばれし者」を生贄に捧げることで永遠の若さを得ることができるらしいのだった。黒幕はウィル・フェレル演じるムガトゥということで前作の悪役が今作でも悪役になっている。

 基本的におバカな作品を目指して作られているので、真剣に論評することもないのかもしれないのだが、個人的にはペネロペ・クルスがあまり噛み合っていなかったことと、ベン・スティラーの妻でもあるマチルダ役のクリスティン・テイラーの美しさが堪能できなかったことが残念でならず、ジャスティン・ビーバーの死に様は面白かったのだが、それ以降は予告編以上の面白さはあまりなかった。

 とはいえ、オーウェン・ウィルソンの放逸っぷりは相変わらず笑えたし、ズーランダーのバカっぷりも楽しかったのだが、ちょっとピントがずれてしまったのであった。

【2017年2月27日、タイトルの表記を訂正】