Outside

Something is better than nothing.

過ぎて後

 今年はあまりクリスマスという気分を感じられなかったのは、私が単に出不精で街の様子をあまり見ていなかったからなのか、とも感じられるわけだが、どことなく通勤の合間や同僚との会話に見受けられるようなクリスマス感とでも言うべき雰囲気を、今年はあまり感じられなかった。ハロウィンで燃え尽きたのか、とさえ思うわけで、ハロウィンにおける自己主張の激しさは目に余るとは言わないにしても、どこもかしこもパンプキンカラーにまみれているような気さえして、毒々しい紫と共にその時期を飾った。そして赤と緑の季節に、と思っていたら、例えば買い物をしたあとの紙袋にその残滓はあるものの、街中にまではそういった色を見かけなかったような気がする。
 数年前のクリスマス前後に手酷くフラれてしまったり、今は妻となっている当時の彼女に、彼氏よりも家族を優先させられて一人の夜を過ごしたクリスマスということで、あまりよい思い出はないし、今年もイブこそは義両親の実家でパーティーを行ったものの、二十五日自体はひとりでさみしくワインを空けてビールを飲み、チーズを食らいながらニコニコ動画の生放送のアーカイブを観るという切なくすらないだらけた一日を過ごした。
 クリスマス自体にもはやさしたる目新しさもないわけで、ハロウィンの方が恋人や家族といった面倒臭い要素も含んだ人間関係とは関わりなく、適当にわいわいやれるし、目新しい感じもあるわけで、そちらの印象の方が深かったのかもしれない。